「ECサイトを始めてみよう!」と思ったとき、独自にサイトを作るか、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングに出店するか迷いますよね。今回は、それぞれのショップの特徴とどんな人に向いているかをまとめました。
D2C市場の拡大とともに様々なECのサービスが生まれていますが、EC制作には手間とコストがかかるので、それぞれのメリットとデメリットをしっかり理解した上で選ぶことをおすすめします。
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アマゾン・楽天・ヤフー比較 どのECに出店すべきか
まずは、モール型ECサイトを始める際に、知っておくべき3つのサービスを紹介します。
結論から言えば、「必ずここが良い」といったものはありません。目的によって使い分ける必要があるので、それぞれの特徴をしっかりと理解しておきましょう。
こちらが日本国内で最大シェアを占める代表的なサービスの一覧になります。
Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング | |
売上(流通総額) ※推定 | 4.7兆円 | 4.4兆円 ※トラベル等含む | 1.4兆円 |
出店数 | 87.2万 | 5.1万 | 17.8万 |
出品数 | 2.8億 | 2.7億 | 4億超 |
会員数(国内) | 4700万 | 5100万 | 2200万 |
月額利用料 | 無料 | 2〜10万円 | 0〜5000円 |
販売手数料 | 5〜15% | 約13〜15% | 約8〜15% |
決済手数料 | 決済サービスにより | 決済サービスにより | 決済サービスにより |
デザイン拡張性 | ▲ | ○ | ▲ |
出店審査 | 普通 | 厳しい | 易しい |
こんな人におすすめ | 出店工数をかけたくない人 | 自社ブランドやサービスの知名度が低い人 | 出店料や売上手数料を抑えたい人 |
出店時の注意点 | 出店ではなく出品なので、独自のPRが難しい | 月額の出店料が高い | 無料なので、出店数が激増している |
Amazon・楽天・ヤフーの比較表
数値については想定になるので、詳しく知りたい方は各サイトで調べてみてください。
まずは、売上額・出店数・出品数・会員数は3つのサービスと比較して、「どのECサイトが集客力を持っていているか」「費用・運用の負担が少ないのはどこか」「自社の商品がどのように表示されるのか」という視点で特徴を理解しておくことをおすすめします。本記事では、ECサイト別に詳しく説明していきます。
モール型ECサイトでの出店は、リアルのショッピングモールに出店するようなイメージをするとわかりやすいかと思います。「ららぽーとかイオンどちらに出店するか」的なイメージでアマゾンか楽天かヤフーか選んでみてください。
Amazonは運用の負担が少ないECサイト
AmazonのECショップに出品する最大のメリットは、出店工数をかけずに誰でもかんたんに出品することができることです。アカウントを作成し必要な情報を登録すれば、3営業日ほどで審査が完了して商品の販売を開始できます。
Amazonの出店・運用工数
楽天市場やYahoo!ショッピングのモール型ECサイトと違い、Amazonはマーケットプレイス型ECサイトです。簡単に言うと、楽天市場やYahoo!ショッピングが「出店」するのに対し、Amazonは「出品」の形式です。
そのため、楽天市場やYahoo!ショッピングでは、楽天の中の「お店」としてサービスをPR・ブランディングできるのに対し、Amazonは「出品」なので、あくまでもAmazonの一商品として紹介されます。ショップとしてのデザインができないため、商品画像や価格での勝負になることが多いです。
ただし、ショップとしてのデザインができないということは、構築する手間も少ないということになるので、出店工数をかけたくない人にはおすすめです。楽天市場やYahoo!ショッピングでは、出店するためにページを作る必要があるため、商品画像などの設定だけで出品できるAmazonはお手軽と言えるでしょう。さらに、Amazonマーケットプレイスでは、低価格な商品を一点からでも販売できるので、小規模スタートに適しています。
ECサイトに出店する際、物流業務も運用工数を削減する上で重要な論点です。AmazonではFBAという物流業務を代行してくれるサービスもあるので、その点でも手軽にECサイトを始めたい人にはおすすめのECサイトになります。
Amazonの集客力
Amazonは知名度も高く、集客力が高いECサイトです。
楽天市場の流通総額は、楽天トラベルも含めた金額になっているので、商品の流通だけで言えばAmazonはダントツと言えるでしょう。顧客視点でも「ネットの通販ならアマゾン」というイメージが付いているので、「とりあえずアマゾン」に来る人へもアプローチすることができます。
また、前述の通り、Amazonでは「出店ではなく出品」となるので、自社サービスの知名度がそれほど高くなくても顧客を獲得しやすいです。特に、競合が少ないニッチな商品を取り扱ってる企業にとっては、Amazonは重要な集客窓口となるでしょう。
価格と商品画像で勝負することになることが多いので、商品が魅力的に見える画像を掲載したり、わかりやすい説明文を書くなど工夫が重要になります。同じカテゴリー内に人気商品がある場合は、自社商品の強みをしっかりとアピールする必要があります。
また、Amazonではプライムセールを毎月3日ほど開催しているので、キャンペーン中の販売促進にも期待できます。
Amazonの出店費用
Amazonのマーケットプレイスでは、「大口出品」と「小口出品」の2つの出品方法があります。
- 大口出品:月額出店料は4,900円/月、基本成約料は無料、販売手数料は8%〜15%です。
- 小口出品:月額出店料は無料、基本成約料は100円/回、販売手数料は8%〜15%です。
月に50個以上を販売できる場合は、大口出品の方がお得です。詳しくはAmazon料金プランからご確認ください。
Amazon料金プラン
https://sell.amazon.co.jp/pricing?ref_=asjp_soa_rd&
楽天市場は集客力のあるECサイト
楽天市場は自社ブランドやサービスの知名度が低い人におすすめのECサイトです。知名度も高く、楽天ポイントや楽天カードなどサービスも充実しているので、ユーザー目線でも利用しやすくなっています。
また、楽天市場はモール型のECサイトなので、Amazonが「出品」であるのに対し、楽天は「出店」になります。デザイン性も大きく変わってくるので、自社の商品カテゴリーに合う方を選んでいきましょう。
楽天市場の出店・運用の工数
楽天市場はAmazonに比べると、出店にかかる負担が大きくなります。楽天市場では、ショッピングモールのように店を出す形になるので、商品の画像や説明だけでなく、お店のページを作る必要があるからです。
その反面、独自のカスタマイズやデザインテンプレートも多く用意されているため、自社やサービスのブランディングができるのは強みと言えるでしょう。どこまでお店のPRに力を入れるかがカギとなるので、出店や運用の工数は裁量によって変わってきます。
また、集客やメルマガなど顧客管理の機能も充実しているのため、せっかくAmazonではなく楽天市場に出店するのであれば、多くの商品を売れるようにしっかりと工数をかけてやることをおすすめします。
楽天市場の集客力
楽天市場の一番の特徴は集客力と言えます。ECサイトを始める際、集客力は非常に重要な要素です。
知名度も高く、日本国内の会員数・ユーザー数が多いので、商品をしっかりPRすることができれば多くの顧客を獲得することができるでしょう。
楽天市場では、Amazonと違い「出店」となるので自社のページを持つことができます。お店としてのブランディングをしていく必要があるため、工数をかけて出店・運用することをおすすめします。「楽天スーパーセール」などキャンペーンの際は、さらに対応が大変となりますが、積極的に参加して集客をしていきましょう。
SEO対策や顧客管理などの機能にも優れているので、しっかりとマーケティングを続けていけば、売上を積み上げていけると思います。
楽天市場の出店費用
楽天市場の出店は、他社のモール型ECサイトに比べて出店料が高いです。
成約ごとにかかる手数料はそこまで高くありませんが、月額費用がかかります。商品が売り切れたときにも固定で費用がかかるので、事前にチェックするようにしましょう。
例えば、農作物などの食品を扱うお店であれば、収穫時期が終わって注文を受け付けられない期間も、月額費用がかかってしまいます。運用を初めてからこういった悩みを抱えないためにも、事前に調べてから出店することをおすすめします。
こちらが楽天市場の料金プランとなります。商品の登録数や画像容量に注意し、適切なプランを選んで出店するようにしてください。
- がんばれ!プラン:月額出店料19,500/月、システム利用料3.5%〜7.0%(5,000商品まで登録可能、画像容量500MBまで)
- スタンダードプラン:月額出店料50,000/月、システム利用料2.0%〜4.5%(20,000商品まで登録可能、画像容量5GBまで)
- メガショッププラン:月額出店料100,000/月、システム利用料2.0%〜4.5%(無制限で商品登録可能、、画像容量無制限)
楽天市場 料金プラン
https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/
Yahoo!ショッピングは費用が安いECサイト
Yahoo!ショッピングの最大の特徴は、月額利用料と販売手数料(売上ロイヤリティ)が無料であることです。ポイント原資や決済手数料はかかりますが、他のECサイトに出店してもかかる費用なので、出店比較をする際は大きなメリットと言えます。
Yahoo!ショッピングの出店・運用の工数
Yahoo!ショッピングは楽天市場と同様に「出店」の形式となります。Amazonと比較すると出店工数はかかりますが、楽天市場に比べると負担が少ないです。
楽天市場との大きな違いは、テンプレートの種類です。Yahoo!ショッピングはデザインのテンプレートが少ないため、独自の自社ページをデザインしたい場合は、楽天の方に軍配が上がります。ただし、HTMLやCSSを使ってページをデザインすることは可能なので、エンジニアリングが可能な方は楽天市場と同様に作成ができます。
Yahoo!ショッピングに出店する場合、楽天市場同様に出店・運用工数をかけて、集客と顧客管理することをおすすめします。
Yahoo!ショッピングの集客力
Yahoo!ショッピングはAmazonや楽天市場に比べるとECサイト自体の集客力は強くありませんが、Amazonと比較すれば「出店」によって様々な集客施策を実行できます。
ただし、Yahoo!ショッピングは出店料が無料であるため出店数が激増しており、広告に投資しないと上位表示が難しくなっています。出店に費用がかからないものの、集客で苦戦する可能性も高いので、この点は注意して進めるようにしましょう。
Yahoo!ショッピングの出店費用
やはりYahoo!ショッピングの一番のメリットは費用を抑えられることです。前述の通り、出店料も売上ロイヤリティもかからないので、とりあえずECサイトを初めてみようかなという方にとっては良いかもしれません。
ただし、配送の負担など、Amazonに比べると大変になることはあるので、楽天市場ほど費用をかけられない場合はAmazonかYahoo!ショッピングかで比較するよ良いでしょう。
モール型ECか自社ECどちらにすべきか
これまでAmazon・楽天市場・YAhoo!ショッピングの「モール型EC」と言われる3つについて記載しました。しかし、ECサイトを始める際にはこれらのモール型に出店する以外にも、自社でECサイトを作る手段もあります。
具体的には、EC CUBE・Shopify・GMO Make Shop・BASE・STORESなど、各社で提供されているツールを利用するか、イチから自作する方法があります。
どの方法で作るかによって負担なども変わるので、一概には言えませんが、「モール型EC」と「自社EC」どちらがどのように優れているか、それぞれのメリットとデメリットを簡単に紹介します。どちらにすべきか考える際、参考にしてください。
モール型EC | 自社EC | |
初期の集客力 | ○ 知名度・認知度が低くてもOK | × 自社で集客が必要 |
集客の拡張性 | ▲ SNS連携など可能 | ◯ 自社ブランディングが可能 |
イニシャルコスト | ▲ 特に楽天市場は高い | ◯ 安くなることが多い |
ランニングコスト | ▲ 特に楽天市場は高い | ◯ 安くなることが多い |
運用工数 | ○ 特にAmazonは簡単 | ▲ 出店・集客ともに手間がかかる |
デザインの拡張性 | × | ◯ |
モール型ECの最大のメリットは初期の集客力です。自社サービスに知名度が低くても、モール自体のブランドで集客することができます。デメリットとしては、出店料や販売手数料が高くなる傾向にあります。各サイトの事例を見て、どのような業界や店舗のが成功しているかも合わせて見てみると良いでしょう。
また、運営に困った際は、セミナーなども頻繁に開催されているので、ビジネス経験が学びながらネットショップを作っていけば問題ないかと思います。
自社ECのメリットは集客の拡張性です。SEO対策やリスティング広告、SNSマーケティングや動画プロモーション、CRM(顧客管理)機能の活用など、様々な手法で自社のブランディングができます。市場に合わせて導入する機能やシステムを選び、データを活用しながら新規・既存ともに継続的な顧客を獲得していきましょう。
インターネットを活用してどのくらいの売上を狙うか、サイト運営の工数をどれほどかけてるかなど、目的を明確にして始められると迷わずに選べるかと思いますので、ぜひ検討してみてください。
ECサイト比較・解説のまとめ
ECサイトを始める方に向けて、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングを比較して紹介しました。
まず軽く初めてみたいならAmazon、少し頑張ってみようかなという方は楽天市場かYahoo!ショッピング、楽天市場ほど費用をかけられない方はYahoo!ショッピングになるかと思います。
しかし、ECサイトは開設してからが本当の勝負です。作って終わりになるのが一番、費用対効果が良くないので、少なくとも半年〜1年くらいの方針を持って始めるようにしましょう。
スマホやパソコンなどデバイスの普及によって、インターネットで物を購入することは今や当たり前になりつつあります。販路拡大の1つの選択肢として、ぜひ検討してみてください。
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